雷や花火、カメラのフラッシュに過敏に反応する愛犬。その震えや痙攣、もしかすると「音響恐怖症」や「ミオクロニー発作」のサインかもしれません。本記事では、音や光といった刺激が犬に与える影響をわかりやすく解説し、高齢犬に多い神経症状との関係性にも触れます。対策としての行動療法や環境調整に加え、自然由来のケアとして注目されるCBDの役割にも注目。愛犬に合ったやさしいケア方法を見つけたい飼い主さんに向けて、安心できる暮らしのヒントをお届けします。
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愛犬が雷の音を聞いて急に震え出したり、花火の音におびえて家具の下に隠れてしまう――そんな経験をしたことがある飼い主さんは多いのではないでしょうか?
一方で、カメラのフラッシュや日差しの反射など強い光に反応してピクッと体が痙攣するような動きを見せる犬もいます。
こうした反応は、単なる「びっくりした」では片づけられない場合があります。音や光といった強い刺激が引き金となり、犬の身体に神経的な影響を及ぼしている可能性があるのです。
特に高齢の犬に多く見られるのが、「ミオクロニー発作」という現象。これは音や光の刺激をきっかけにして、筋肉が突発的にピクッと動く発作性の症状です。
本記事では、犬の音・光刺激への過敏な反応について、そしてそれらが引き起こす可能性のあるミオクロニー発作とCBDの関係について、科学的な視点から丁寧に解説します。
ナチュラルなケアの一環としてCBDが果たす役割についても紹介し、愛犬にとって穏やかな生活を送るためのヒントをご提案します。

犬にとって、雷鳴や花火、掃除機のような突発的で大きな音は強い不安の原因になります。
近年では「音響恐怖症(Noise Phobia)」という名称で知られ、以下のような症状を示すことが特徴です。
イギリスの研究によると、犬の約30%がなんらかの音恐怖症状を示しているとされ、特に高齢になるにつれて敏感になる傾向があると報告されています。
音だけでなく、光刺激も犬の神経に強く作用することがわかってきました。
たとえば、以下のような光の変化が誘発要因になることがあります:
人間がさほど気にならないような刺激でも、犬の視覚や神経は非常に敏感で、それが発作の引き金になるケースもあるのです。

「ミオクロニー発作」は、短時間で筋肉が瞬間的にピクッと収縮する発作の一種です。高齢犬に多く見られますが、若い犬でも神経系の異常やてんかんの一種として発症する場合があります。
「雷の音を聞いたときだけ」「カメラのフラッシュに反応して」発症する場合、これらの刺激がミオクロニー発作のトリガーになっている可能性があります。
同じく高齢犬に多く見られる「てんかん」や「認知機能障害(犬の認知症)」とも関連が深く、ミオクロニーはこれらの疾患の前兆や症状の一部として出現するケースもあるため、注意深い観察が必要です。
もしこうした発作が繰り返し見られるようであれば、まずは動物病院で診断を受けることが最優先です。

犬の音・光刺激によるストレスや発作に対しては、次のような多角的な対策が考えられます:
この中でCBDは、日常生活に自然に取り入れやすく、副作用も少ない補助的アプローチとして、多くの飼い主から支持を集めています。
CBD(カンナビジオール)は、麻由来の天然成分で、精神作用のあるTHCを含まず、安全に使用できる点が特徴です。
犬の体内には「エンド・カンナビノイド・システム(ECS)」という調整機能があり、CBDはこのシステムをサポートすることで、以下のような効果が期待されています:

CBDは、セロトニン受容体やGABA受容体にも間接的に働きかけることがわかっており、落ち着きを促す働きが示されています。
音や光に対する神経の過剰反応を和らげ、「刺激を受けても発作につながりにくい状態」をつくる可能性があるとされています。
人間の小児てんかん(例:ドラベ症候群)でもCBDの有効性が確認されており、同様のメカニズムが犬のミオクロニー発作にも応用できるのではないかと期待されています。
音・光刺激への過敏な反応やミオクロニー発作に直面したとき、飼い主にできることはたくさんあります。
防音グッズを取り入れたり、日差しの入り方を調整したり、安心できる居場所を作ってあげたりするだけでも、犬のストレスはぐっと軽減されます。
そのうえで、CBDのような自然な成分を活用することで、心と体のバランスを内側からサポートするという選択肢もあります。

はじめの一歩は、小さな行動かもしれません。
けれど、音や光におびえていたあの子が、少しずつ落ち着いて過ごせるようになっていく姿を見られたら、それはかけがえのない変化です。
焦らず、愛犬のペースに寄り添いながら、一緒に穏やかな毎日を取り戻していきましょう。